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ジールスの準国産ヒューマノイド「D1」、介護施設での実証実験で可能性を探る

ジールスの準国産ヒューマノイド「D1」、介護施設での実証実験で可能性を探る

サービス・製品の概要

  • サービス・製品名: 準国産コンパクトヒューマノイド「D1」

  • 提供元: 株式会社ZEALS(開発)、桜十字グループ(実証協力)

  • 新しい点: これまで医療現場での実証はあったD1が、介護施設という入居者様が生活する場での実証実験に初投入されました。エレベーターを使った複数階にわたる館内案内、備品やデリバリー品の軽量物運搬、液体を扱う配茶作業といった、介護施設の日常業務を想定した3つのタスクを検証しています。日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に開発された、国内主導でAI、ソフトウェア、制御、組立、導入・運用を進める“準国産”のヒューマノイドです。

  • 対象となる方: 今回の実証実験の対象は「ホスピタルメント文京千駄木」の入居者様と職員です。将来的には、介護分野全体での人手不足解消や業務負担軽減に貢献することが期待されています。

  • 費用: プレスリリースには費用の記載がありません。詳細はお問い合わせください。

  • 提供エリア: 今回の実証実験は「ホスピタルメント文京千駄木」(東京都文京区)で実施されました。D1の導入・運用は国内主導で進められています。

  • 開始時期: 実証実験は2026年9月10日(木)から11日(金)までの2日間行われました。D1の導入相談および販売の受付は、2026年8月5日より開始されています。

  • 申込や問い合わせの方法: D1に関するより詳しい情報は、以下のD1サイトまたは株式会社ZEALSのコーポレートサイトをご覧ください。

実証実験の背景と目的

介護施設では、介護士や看護師が利用者様へのケアに加え、備品運搬や飲み物の準備、館内案内など多岐にわたる業務を担っています。これらの周辺業務は繰り返し発生するため、現場の身体的・時間的な負担となることがあります。ロボットがこうした業務の一部を担うことで、職員が利用者様との対話や一人ひとりに合わせたケアに、より多くの時間を充てられるようになることが期待されています。

これまでのD1の実証実験は主に病院で行われてきましたが、介護施設は利用者様が日々を過ごす生活の場であり、運用には生活リズムや安全への配慮が求められます。そこで今回、桜十字グループの「ホスピタルメント文京千駄木」で、介護施設の日常業務を想定した3つのタスクを検証し、介護・生活支援の現場でのD1の活用可能性と実用化に向けた課題を確認しました。

実証実験の概要

  • 実施期間: 2026年9月10日(木)~11日(金)

  • 実施場所: ホスピタルメント文京千駄木(介護付き有料老人ホーム、定員50名、全48室、地上4階建て)

  • 使用機体: “準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」

  • 主な検証内容: 館内案内、軽量物運搬、配茶

1日目はD1の搬入、ネットワーク接続、館内マップの作成、ナビゲーション調整が行われ、各タスクが段階的にテストされました。2日目には前日の走行データや調整内容が反映され、各タスクの検証と現場データの収集が行われました。

主な検証内容

1. 館内の案内・移動

ロボットがエレベーターに乗り込む様子

D1は、事前に取得した館内マップに基づき、廊下や共用部を自律移動し、エレベーターを利用したフロア間の移動と館内の案内を検証しました。スタッフからの指示で、事務室、玄関、トイレ、エレベーターといった目的地まで自律で案内し、人と同乗してエレベーターを使い、目的の階で降車した後に移動を継続する動作を確認しています。

施設内では利用者様やスタッフが常に行き交いますが、D1はカメラやセンサーで周囲の通行者や障害物を検知しながら経路を調整し、走行を続けることができました。また、案内の途中で出会った利用者様とは、自然な会話も行ったと報告されています。施設の設備を大きく改修することなく、既存のエレベーターを利用することで、介護施設における現実的な階間移動の運用方法が確認されました。

2. 軽量物の運搬

ロボットが介護用品を運搬する様子

介護施設では、介護用品だけでなく、利用者様が注文した商品など、生活に伴うさまざまな物品の運搬が日常的に発生します。今回の実証では、D1がこうした運搬業務を担う可能性が検証されました。

具体的には、事務室でスタッフから物品を手渡しで受け取り、届け先を口頭で確認した上で、物品を保持したまま自律移動し、指定された居室で受け渡すまでの一連の動作を実施。介護用紙おむつの運搬に加え、現場で実際に発生したデリバリー商品の運搬も行われました。これにより、物品を把持したまま移動する複合動作の成立と、D1が運搬できる物品の重量や形状の範囲が把握されました。

3. 配茶作業

ロボットが飲み物を注ぐ様子

D1がポットからコップへお茶を注ぎ、ポットを元の位置へ戻すまでの一連の動作を検証しました。D1はポットとコップの位置をその場で認識し、ポットを持ち上げた後、注いでいる最中はコップに注がれた量を確認しながら、傾ける角度と注ぎ終えるタイミングを自律で判断します。

この実証により、D1が自律で配茶を行える可能性が確認されました。一方で、動作の安定性や再現性には課題も見られたとされています。今後は、今回の検証で得られたデータをもとに、各動作の学習を重ね、より安定したタスク実行を目指して精度改善が進められるとのことです。

今回の実証の位置づけと今後

今回の実証実験は、D1の検証環境を介護付き有料老人ホームへ広げ、利用者様の生活空間においてヒューマノイドが担える業務と、運用上の課題を具体化する取り組みとなりました。2日間で合計15時間の現場稼働が行われ、エレベーターを介した複数階の移動、軽量物運搬、液体を扱う精密な配茶操作に必要なデータが収集されました。

D1は2026年8月には医療現場での実証も実施しており、医療と介護という異なる現場で、短期間のうちに連続して実証が行われたことになります。今後、取得されたデータはD1の学習、評価、改善に活用され、介護施設における具体的な活用方法が検討される予定です。また、「ホスピタルメント」の他施設への展開可能性についても協議が進められるとのことです。

桜十字グループの菅谷 真 運営部長は、介護分野の人手不足に対し、D1が物品搬送や案内といった日常業務を代替することで、現場の大きな業務支援につながると期待を寄せています。また、業務効率化によって生まれた時間を、スタッフが利用者様との対話や心のこもったケアといった、人にしかできない温かい対応に充てられることにも大きな意義があると感じているとのことです。利用者様もD1をスムーズに受け入れ、愛らしい仕草や豊かな表情に好評を得ているとコメントされています。

“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」について

D1は、全高約129.3cm、走行ベース幅約48cmのコンパクト設計で、日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に開発されました。AIによる自然な対話、受付・案内、自律ナビゲーション、障害物回避、多言語対応に加え、双腕による物品準備、運搬、物品の受け渡しなど、身体性を伴う業務支援への展開を進めています。

より詳しい情報や導入相談については、D1サイト(https://www.omakaserobotics.ai/)をご確認ください。