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介護離職を避けるための新刊『介護前夜の教科書』が9月16日発売—「最初の1年」が分かれ道に

介護離職を避けるための新刊『介護前夜の教科書』が9月16日発売—「最初の1年」が分かれ道に

介護離職の実態と「介護前夜の教科書」の目的

NPO法人となりのかいごが介護経験のある就業者2,573人を対象に実施した「介護離職白書2026」によると、介護離職経験者の58.7%が介護開始から1年未満で仕事を辞めていたことが明らかになりました。これは、介護生活が長期化してからではなく、介護が始まった直後が仕事を続けられるかどうかの大きな分岐点となっていることを示しています。

さらに、介護休業や時短勤務などの両立支援制度を利用していた介護離職経験者も60.3%に上り、制度を利用するだけでは離職を防げない現実が浮き彫りになっています。また、「介護は他人ではなく家族で行うべきだ」と考える割合は、介護離職経験者で48.0%と高く、離職に近い人ほど「家族が介護しなければ」という意識が強い傾向も見られました。

現在介護者の介護離職までにかかった年数

本書は、こうした厳しい現実に対し、「働きながら介護する時代」に仕事を辞めずに親を支えるための具体的な備えを提案することを目的としています。

「働きながら介護する時代」に必要な視点

仕事と介護の両立を支援する制度は増えていますが、制度を「自分が直接介護する時間を増やすため」に使うことで、かえって介護への関与が深まり、離職に近づく可能性もあると指摘されています。

本書では、介護休暇や介護休業を日常的な直接介護だけでなく、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、「介護チーム」を構築するために活用することの重要性を解説しています。親の暮らしを支える体制を整えながら、子どもはできる限りこれまでの仕事と生活を続けることが、長期化する介護において親子が共倒れしないための基本であると強調されており、「頼る覚悟」の必要性が示されています。詳細はお住まいの自治体や専門の相談窓口、ケアマネジャーにご確認ください。

「やること」と「やってはいけないこと」の具体例

親の介護が気になり始めると、よかれと思って先回りし、できることを増やそうとしがちですが、その行動が親の自立を妨げたり、子どもの仕事や家計、家族関係に影響を与えたりすることもあるとされています。

本書では、お金・仕事・制度・住まい・認知症ケア・コミュニケーションの6つのテーマについて、具体的な「やること」と「やってはいけないこと」がセットで紹介されています。

たとえば、「やること」として以下の例が挙げられています。

  • 親の住む地域の相談先を確保する

  • 勤務先の制度と窓口を確認する

  • 介護休暇・介護休業で「介護チーム」を整える

  • 介護費は、原則として親のお金と社会保障の範囲で考える

  • 認知症になっても、家族は“介護士”にならず、いつもの親子でいる

一方で、「やってはいけないこと」として、以下のような行動への注意が促されています。

  • 介護が始まったら、まず異動や退職を考える

  • 子どもの貯蓄から親の介護費を出し続ける

  • リモートワークをしながら親を見守り続ける

  • 親の困りごとをすべて先回りして解決する

  • 罪悪感から、親の要求に際限なく応じる

「何をすればいいか」だけでなく、「何をしなくていいか」がわかることで、介護への不安と家族の負担を軽減することを目指しています。

親の介護費は子どもが払う?答えはX

著者プロフィール

著者の川内潤氏は、NPO法人となりのかいご代表理事を務め、社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士の資格を持つ専門家です。年間約700件、累計4000件超の介護相談に携わってきた経験から、親思いで責任感の強い人ほど、介護を抱え込み、仕事や自分の生活を手放してしまいやすいという現実を見てきました。

本書は、介護制度を細かく覚えるための本ではなく、親と自分の人生に適切な線を引き、必要なときはプロや地域の力を借りながら、仕事・お金・暮らしを守るための実践書として位置づけられています。

川内潤氏のプロフィール写真

書籍概要

  • タイトル:『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』

  • 発売日:2026年9月16日

  • 出版社:講談社

  • 定価:1,870円(税込)

  • 判型・ページ数:四六判 208ページ

  • ISBN:978-4-06-544699-7

本書は、具体的な相談事例やマンガ、図解を交えながら、介護前夜に知っておきたい考え方と行動をわかりやすく紹介しています。親の介護に直面する前に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。