パナソニック ホールディングス、健康状態の変化の兆しを捉えるAI技術「予兆ソリューション」を開発


パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、介護施設で暮らす高齢者の健康状態の変化をセンサーデータとAIで早期に捉え、データに基づく気づきを提供し、介護職員のケア業務を支援する「予兆ソリューション」を開発しました。2026年10月より、社会福祉法人ユーアイ二十一と協力し、実際の介護現場での有用性と運用性を検証する実証実験を開始します。
高齢化の進展と介護人材不足を背景に、介護現場では限られた人員でケアの質を維持・向上させることが課題となっています。
また、日々の体調変化への気づきは、現場スタッフの経験や観察に支えられている部分も多く、状態変化が顕在化してから対応するケースも少なくありません。利用者一人ひとりの健康状態の変化をより早い段階で把握し、先回りした状態確認やケアにつなげるためには、客観的なデータに基づいて変化の兆しを捉える仕組みが求められています。
この課題に対し、パナソニックHDは、センサーデータを活用し、一人ひとりの健康状態の変化の兆しを捉える「健康状態変化解析AI」と、解析結果の根拠や観察のポイントを整理して提示する「レポート生成AI」で構成される予兆ソリューションを開発しました。変化の傾向と根拠をグラフや文章で可視化するとともに、介護現場における状態確認の参考情報として提示します。こうしたデータに基づく気づきを通じて、現場スタッフによる利用者の状態確認から先回りケアの実践まで、一連のプロセスでの活用を目指しています。

<技術の特長>
1. 生体情報・生活情報から健康状態の変化の兆しを捉える健康状態変化解析AI
心拍数、呼吸数、体動状況、睡眠状況、ベッド在状況など、見守りセンサーから得られる生体情報・生活情報を活用し、高齢者一人ひとりの平常時の状態を基準に、健康状態の変化の兆しを解析します。
約2,000人を対象とした性能評価では、高齢者一人ひとりについて、日ごとの統計解析に加え、前日・前々日との差分を特徴量として解析し、個人の平常時との違いを抽出することで、目視や本人からの自己申告だけでは把握が難しい変化についても、状態確認のきっかけとなる情報を提供できる可能性が示唆されました。
具体的には、過去の介護記録に健康状態の変化が記録されていたタイミングを、健康状態変化解析AIが捉えた割合を示す再現率は89.4%、健康状態の変化が記録されていないタイミングで「変化あり」と評価した誤報率は10.5%となりました。また、過去の介護記録を用いた後ろ向き分析(※1)では健康状態の変化が記録されていた事例において、記録時点より前からセンサーデータ上の変動傾向が確認されました。
2. 予兆の根拠と観察のポイントを文章化し、現場のケアにつなげるレポート生成AI
健康状態変化解析AIが捉えた健康状態の変化について、根拠となるセンサーデータや過去の状態との比較を分かりやすく示し、介護職や看護職など、多職種で共有しやすいレポートとして提示します。
レポートは、変化傾向や観察のポイントを整理した文章およびグラフで構成されます。データの読み取りにかかる負荷の軽減や、多職種間での情報共有を支援する情報としての活用が期待されます(※2)。

3. 特定の見守りサービスやセンサーに依存しない共通基盤
本ソリューションは、複数のセンサーデータを組み合わせて活用することが可能です。特定の見守りサービスやセンサーに依存せず、すでに介護現場で普及している見守りシステム上で活用できる共通基盤として機器ごとに異なるセンサー信号の正規化・特徴抽出を進めます。将来的に、適用可能な見守りシステムの拡充を目指しています。
パナソニックHDは、本研究開発の有用性と運用性を検証するため、2026年10月から社会福祉法人ユーアイ二十一と協力し、実証実験を開始します。本実証では、健康状態変化解析AIによるお知らせと、その根拠および観察のポイントを示すレポートが、現場スタッフによる状態確認やケア判断にどのように活用されるかを確認し、ケアの参考情報としての有用性について検証を進めます。
今後は、実証実験で得られた知見をもとに解析手法やレポート内容の改善を図るとともに、見守りサービス事業者をはじめとする社外パートナーとの協業を拡大し、勘や経験だけに頼らないデータに基づく介護の実現に向けた技術開発を推進していきます。
なお、本リリースは、パナソニックHDが取り組む研究開発および評価結果について、現時点での技術的知見を共有することを目的としたものです。本実証は、実際の介護現場における実用性、有用性および運用性を確認するための研究活動の一環であり、疾病の診断や医学的判断の性能を検証するものではありません。
※1 過去に残っている記録やデータを集めて、当時の状況や要因を振り返りながら傾向を整理する手法。
※2 AIがケアや医学的判断を行うものではなく、現場スタッフによる観察・確認・判断を支える参考情報として活用されることを想定しています。
▼[プレスリリース]パナソニック ホールディングス、健康状態の変化の兆しを捉えるAI技術「予兆ソリューション」を開発(2026年10月5日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn261005-1
<関連情報>
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スマートエイジングケア 技術紹介ウェブサイト
本記事は、パナソニックグループが2026年10月5日にPR TIMESで発表したプレスリリースを原文のまま掲載しています。
元のリリース:パナソニック ホールディングス、健康状態の変化の兆しを捉えるAI技術「予兆ソリューション」を開発


