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フクビ化学工業と早稲田大学が公共空間のベンチに関する共同研究を継続 – プランター設置が利用者の行動・心理に与える影響を科学的に検証

フクビ化学工業と早稲田大学が公共空間のベンチに関する共同研究を継続 – プランター設置が利用者の行動・心理に与える影響を科学的に検証

公共空間の快適性向上を目指す共同研究

近年、都市部では多様な働き方やライフスタイルに対応した、快適で魅力的な公共空間の需要が高まっています。フクビ化学工業と早稲田大学佐野友紀研究室は、このような背景から、人々が自然と集い、快適に滞在し交流できる空間づくりを目指し、共同研究を進めています。

ベンチとモンステラの植木鉢

2025年度の研究結果:プランター設置が利用者に与える影響

2025年度は、これまでの研究で明らかになった課題を踏まえ、ベンチ周辺へのプランター設置が利用者の心理や行動に与える影響について調査が行われました。研究成果は日本建築学会大会で発表されています。

調査は、田町駅前のペデストリアンデッキにて、アンケート調査(2025年7月7日、被験者23名)と行動観察(2025年10月8日〜20日の平日7日間、延べ2,498人)という手法で実施されました。

アンケート調査の結果

アンケート調査では、「座りやすさ」に関する項目について5段階評価が行われました。実験条件は以下の通りです。

表1:アンケート調査の実験条件

その結果、プランターの設置により、利用者の「人の視線の気になりにくさ」や「座りやすさ」の評価が向上することが確認されました。しかし、ベンチの配置によっては、歩道側の座席の評価に大きな変化が見られなかったことから、プランターの設置位置への配慮が重要であることが示唆されています。

行動観察調査の結果

行動観察では、様々な条件下でベンチの利用状況が記録されました。実験条件は以下の通りです。

表2:行動観察の実験条件

この調査では、プランターを設置することでベンチの滞在者数が増加する一方で、平均滞在時間は減少する傾向が見られました。特に、ベンチが「八の字」に配置されている場合では、荷物整理や身だしなみ確認といった短時間利用が増加することが確認されました。この結果から、プランターの設置は利用者の数を増やすだけでなく、滞在の質を変化させる要素であることが示唆されています。

ベンチに座る人物と鉢植え

2025年度の研究を通じて、プランターの設置はベンチの利用しやすさを高めるものの、利用形態を長時間の着座から短時間の一時利用へと変化させる要因となることが明らかになりました。このことから、公共空間の利用目的に応じた適切な高さや設置位置の設計が重要であると結論付けられています。

今後の展開と「Fukuvi commons」の役割

2026年度は、これまでの研究成果を基に、実際の公共空間でベンチを長期間設置し、一般利用者を対象とした調査を実施しています。これにより、短期間の実験では捉えきれない利用者の行動変化や季節・時間帯による影響を詳細に分析する予定です。

将来的には、2023年度から継続してきた研究成果を体系化し、「人が自然と集い、滞在したくなる公共空間」の設計指針としてまとめることを目指しています。また、ベンチの配置、植栽やプランターの設置、高さや向きといった空間要素を組み合わせた実践的なガイドラインを構築し、多様な場所での社会実装を進めていくとのことです。このような取り組みは、高齢者の方が安心して外出を楽しみ、地域社会とのつながりを維持するための基盤づくりに貢献することでしょう。

フクビ化学工業は、これらの研究成果をまちづくり提案や関連製品の開発に反映させ、自治体や民間事業者との連携を通じて実証フィールドを拡大することで、エビデンスに基づく公共空間づくりを推進していく方針です。最終的には、居心地の良さや滞在価値を定量的に評価できる仕組みを構築し、持続可能で魅力あるまちづくりへの貢献を目指します。

Fukuvi commons(フクビコモンズ)について

「Fukuvi commons」は、フクビ化学工業のまちづくり事業推進室が手掛ける「プラットフォーム型事業ブランド」です。「つくる」「つながる」「そだてる」という3つの視点から、パブリック製品や地域・大学との共創プロジェクトを発信しています。

Fukuvi commonsロゴとベンチ利用シーンのコラージュ

商品情報や他の取り組み、過去の研究については、Fukuvi commonsのウェブサイトをご覧ください。

公共空間の設計や利用に関する詳細は、お住まいの自治体や専門の相談窓口、ケアマネジャーにご確認ください。