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ジールス、準国産ヒューマノイド「D1」を介護施設へ初投入 エレベーター移動や配茶など3業務を検証

ジールス、準国産ヒューマノイド「D1」を介護施設へ初投入 エレベーター移動や配茶など3業務を検証

どんなサービス・製品か

株式会社ZEALSが開発した“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」は、全高約129.3cmのコンパクトな人型ロボットです。AIによる自然な対話や自律ナビゲーション、障害物回避などの機能に加え、双腕を活用した物品の運搬や受け渡し、配茶といった身体性を伴う業務支援を目指しています。

何が新しいか

これまで病院で来院者の案内や物品運搬などの実証が行われてきたD1が、今回初めて介護付き有料老人ホームという入居者の生活の場に導入されました。エレベーターを使った階層間の移動や、液体を扱う配茶作業など、介護施設の日常業務における適応可能性が検証された点が新しい取り組みです。病院と介護施設の両方で、人との接触や転倒なく稼働できたことが報告されています。

対象となる方

介護施設に入居されている方々、および介護施設で働く職員の方々が主な対象となります。D1が周辺業務を担うことで、職員がより入居者との対話や個別のケアに時間を充てられるようになることが期待されています。

費用(税込)

この実証実験に関する費用や、D1の導入費用については公開されていません。

提供エリア

今回の実証実験は、東京都文京区にある桜十字グループの介護付き有料老人ホーム「ホスピタルメント文京千駄木」で行われました。D1の具体的な提供エリアや今後の展開については、今回の実証データをもとに検討が進められる予定です。

開始時期

今回の介護施設での実証実験は、2026年9月10日(木)から11日(金)までの2日間で実施されました。D1の本格的なサービス提供開始時期は、現時点では発表されていません。

申込や問い合わせの方法

D1の利用や導入に関する具体的な申込方法、問い合わせ先については、プレスリリースに記載がありませんでした。詳細はお住まいの自治体や専門の相談窓口、ケアマネジャーにご確認を、または株式会社ZEALSのD1サイトをご確認ください。

実証実験の背景

介護施設では、介護士や看護師が入居者へのケアに加え、備品やリネンの運搬、飲み物の準備、館内案内、レクリエーションの進行など、多岐にわたる業務を担っています。これらの業務は施設運営に不可欠ですが、繰り返し発生するため、現場の身体的・時間的な負担となることがあります。ロボットが周辺業務の一部を担うことができれば、施設職員は入居者との会話や、一人ひとりの状態に合わせたケアに、より多くの時間を活用できるかもしれません。

株式会社ZEALSはこれまで、病院においてD1による案内、物品運搬、配茶機操作、下膳補助、体操進行などを検証してきました。しかし、介護付き有料老人ホームは、入居者が日々を過ごす生活の場であるため、病院とは異なる運用が求められます。そこで今回、「ホスピタルメント文京千駄木」にD1を投入し、介護施設の日常業務を想定した3つのタスクを検証しました。これは、病院で培った技術を介護・生活支援の現場でどのように活用できるかを確認する取り組みです。

実証実験の概要

  • 実施期間: 2026年9月10日(木)~11日(金)

  • 実施場所: ホスピタルメント文京千駄木

  • 使用機体: “準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」

  • 実施主体: 株式会社ZEALS

  • 協力: 桜十字グループ、ホスピタルメント文京千駄木

  • 主な検証内容: 館内案内、軽量物運搬、配茶

「ホスピタルメント文京千駄木」は、定員50名、全48室の介護付き有料老人ホームで、看護師と介護士が24時間常駐しています。1日目はD1の搬入、ネットワーク接続、館内マップの作成、ナビゲーション調整を行い、各タスクを段階的にテストしました。2日目は前日の走行データや調整内容を反映し、各タスクの検証と現場データの収集が行われました。

主な検証内容

① 館内の案内・移動

館内案内・移動

事前に取得した館内マップに沿って廊下や共用部を自律移動し、エレベーターを利用したフロア間の移動と館内の案内が検証されました。スタッフがD1に話しかけると、D1は事務室、玄関、トイレ、エレベーターといった館内の目的地まで自律で案内しました。エレベーターの利用時には、人と同乗する形で乗り込み、移動先の階で降車したのち、そのまま目的地まで移動する様子も確認されています。施設内では入居者や勤務中のスタッフが常時行き交っていますが、D1は周囲の通行者や障害物をカメラやセンサーで検知しながら経路を調整し、走行を継続しました。案内の途中で出会った入居者とは、その場で自然な会話も行われています。施設設備を大きく改修することなく、既存のエレベーターをそのまま利用することで、介護施設における現実的な階間移動の運用方法が確認されました。

② 軽量物の運搬

軽量物運搬

介護施設は、入居者が日々の暮らしを営む「生活の場」です。そのため、介護用品だけでなく、入居者が注文した商品など、生活に伴うさまざまな物品の運搬が日常的に発生しており、スタッフが介護業務と並行して対応しています。今回の実証では、こうした運搬業務をD1が担う可能性が検証されました。事務室でスタッフから物品を手渡しで受け取り、届け先を口頭で確認したうえで、物品を保持したまま自律移動し、指定された居室で受け渡すまでの一連の動作が実施されました。具体的には、介護用紙おむつを事務室から居室へ届けるタスクに加え、入居者が注文したデリバリー商品を、注文者の居室まで届ける運搬も行われました。後者は、あらかじめ用意した検証用の荷物ではなく、その日に現場で実際に発生した依頼をD1が処理したものです。館内案内で検証したナビゲーションを土台に、物品を把持したまま移動する複合動作が成立するかを確認するとともに、D1が運搬できる物品の重量や形状の範囲も把握されました。

③ 配茶作業

配茶作業

お茶をD1がコップへ注ぎ、ポットを元の位置へ戻すまでの一連の動作が検証されました。D1はポットとコップの位置をその場で認識し、ポットを持ち上げたのち、注いでいる最中はコップに注がれた量を確認しながら、傾ける角度と注ぎ終えるタイミングを判断します。これらはいずれも遠隔操作によらず、D1が自律で実行するものです。学習と違う環境においても一連の動作が検証でき、D1が自律で配茶を行える可能性が確認されました。一方で、動作の安定性や再現性には課題も見られました。今後は、今回の検証で得られたデータをもとに、ポットやコップの認識、把持、注水といった各動作の学習を重ね、一連のタスクをより安定して実行できるよう精度改善が進められる予定です。あわせて、飲み物の準備にかかるスタッフ工数の削減余地を見極めるとともに、実運用に求められる学習量や運用条件が把握されました。

今回の実証の位置づけと今後

今回の実証は、D1の検証環境を病院から介護付き有料老人ホームへ広げ、入居者の生活空間においてヒューマノイドが担える業務と、運用上の課題を具体化する取り組みです。現場稼働時間は、2日間で合計15時間となりました。

館内移動では、エレベーターを介した複数階の移動を検証し、D1が活動できる範囲と担える業務の幅が確認されました。軽量物運搬では、施設職員が日常的に行っている移動・運搬業務の一部を支援できる可能性が検証されました。配茶では、液体を扱う精密な操作に必要なデータが収集されました。

株式会社ZEALSは2026年8月、医療法人桂名会 重工大須病院において、D1を用いた初の医療現場での実証を実施しました。3日間で35時間を稼働し、来院者の案内から下膳補助まで5つの院内業務を検証しています。期間を通じて人や設備への接触、転倒はいずれも発生せず、患者や職員が行き交う医療現場においてヒューマノイドが業務を担えることが確認されました。

今回、その検証の場を介護施設へ広げたことで、医療と介護という性質の異なる二つの現場において、いずれも人との接触・転倒ゼロで、D1が実際の業務を担えることが、2週間あまりの間に連続して実証されました。取得したデータはD1の学習、評価、改善に活用されるとともに、桜十字グループと介護施設における具体的な活用方法が検討され、ホスピタルメントの他施設を含む展開可能性についても協議が進められる予定です。

桜十字グループ 菅谷 真 運営部長は、介護分野の人手不足が深刻化する中で、ロボットによる業務支援がスタッフの労働負担緩和につながると期待を寄せています。また、ロボットが周辺業務を担うことで生まれた時間を、スタッフが利用者との対話や心のこもったケアに充てられることの意義も強調しています。今回の試みは、人型ロボットが介護分野の実務に即した不可欠な存在へと進化し得るかを検証する、貴重な足がかりとなったとコメントしています。導入当初は利用者の戸惑いも懸念されましたが、スムーズに受け入れられ、愛らしい仕草や豊かな表情に対しても好評を得たとのことです。

“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」について

D1は、日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に開発された“準国産”コンパクトヒューマノイドです。世界水準の技術や部品を取り入れながら、AI、ソフトウェア、制御、組立、日本の現場に合わせた導入・運用を株式会社ZEALSが国内主導で進めています。全高約129.3cm、走行ベース幅約48cmのコンパクト設計を採用。AIによる自然な対話、受付・案内、自律ナビゲーション、障害物回避、多言語対応に加え、双腕による物品準備、運搬、物品の受け渡しなど、身体性を伴う業務支援への展開が進められています。

D1サイト

桜十字グループについて

「WELL-BEING FRONTIER 人生100年時代の生きるを満たす。」をミッションに、Medical(医療)・Experience(暮らし)・Solution(経営)の3領域から、人々のウェルビーイングとQOLを豊かにする多様な事業・サービスを展開しています。

桜十字グループサイト

株式会社ZEALSの会社概要

  • 社名: 株式会社ZEALS(ジールス)

  • 設立: 2014年4月1日

  • 資本金: 1億円

  • 所在地: 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー6F

  • 代表者: 代表取締役 清水正大

  • 事業内容: Omakase AI、D1、Omakase Zen、Omakase OS、ZEALS AI Agent等の開発・提供

コーポレートサイト
D1サイト